○国立大学法人弘前大学有害廃液管理細則
平成16年4月1日
制定細則第37号
(趣旨)
第1条 この細則は、弘前大学有害廃液管理規程(平成16年規程第157号)第8条の規定に基づき、弘前大学の実験室、特殊施設等において排出する廃液の取扱いについて、必要な事項を定める。
(1) 廃液には、次の物質を混入させてはならない。
(ア) アルカリ金属(Na,K,Liなど)、アルカリ土類金属(Mg,Be,Sr,Baなど)及びそれらを含む合金
(イ) 爆発の危険性のある化合物(たとえばトリニトロ化合物、過酸化物、過酸など。)
(ウ) 塩素酸、過塩素酸及びそれらの塩類
(エ) PCBなどの著しく有害な物質及び著しく腐食性の強い物質
(2) 廃液は10又は20の白色ポリ容器(大学から支給)に2/3程度を限度として貯留する。
(3) 通常、第2回目までの洗浄液をポリ容器に貯留する。
(4) 沈殿物があれば、ろ過しておく。
(5) 容器の使いまわしは避ける。例えば、可燃性有機廃液を入れた容器が返却された後、重金属系廃液の貯留容器として使うようなことはしないこと。
(収集及び運搬)
第4条 収集及び運搬については、特に次の事項について注意すること。
(1) 記録用紙を容器ごとに貼付して所定の日時に各部局の収集場所に搬入すること。
(2) 各部局の収集場所に貯留廃液を搬入する際には、廃液責任者が必ず同行し、直接各部局の総括責任者に引き渡すこと。
(3) 各部局の総括責任者は、有害廃液の内容、記録を確認の上検収し、廃液収集担当者(収集運搬業者)に引き渡す。
(内容物及び処理方法不明の廃液)
第5条 内容物が不明な廃液については、原則として収集しない。また、処理方法が不明な廃液については、環境安全推進本部の指示を受けること。
(化学実験の停止)
第6条 so米直播が指名する理事は、この細則に定める廃液の取扱いに関する事項を遵守せず、度々問題のある廃液を搬入する廃液責任者に対し、実験の停止などを命ずることができる。
附則
この細則は、平成16年4月1日から施行する。
附則
この細則は、平成18年2月1日から施行する。
附則
この細則は、平成21年2月9日から施行する。
附則(平成21年3月16日)
この細則は、平成21年4月1日から施行する。
附則(平成31年4月11日細則第28号)
この細則は、平成31年5月1日から施行する。
附則(令和3年4月27日細則第5号)
この細則は、令和3年4月27日から施行する。
附則(令和5年9月27日細則第13号)
この細則は、令和5年10月1日から施行する。
別記第1
有害廃液の貯留区分
分類 | 識別色 | 具体例 | |
無機系廃液 | 重金属系廃液 | 黄 | 銅、亜鉛、鉄、スズ、マンガン、銀、ニッケル、コバルト等、比較的毒性の低い重金属系の廃液、スクラバ廃液 注) pHを記入すること。 |
有害重金属系廃液 | 灰 | クロム、カドミウム、鉛含有廃液 注) pHを記入すること。 | |
ヒ素?セレン系廃液 | 灰 | ヒ素?セレン含有廃液 注) pHを記入すること。 | |
酸系廃液 | 橙 | 硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸等の重金属を含まない酸性廃液 注) pHを記入すること。 | |
アルカリ系廃液 | 緑 | アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の重金属を含まないアルカリ性廃液 注) pHを記入すること。 | |
フッ素廃液 | 紫 | フッ化水素酸、フッ化物塩等を含む廃液 注) pHを記入すること。 | |
シアン系廃液 | 白 | シアン化水素、シアン化物、重金属のシアン錯塩等シアン化合物を含む廃液 注 )pH10.5以上を厳守すること。 | |
有機系廃液 | 可燃性有機廃液 | 赤 | 石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、アセタール、アルコール類、アセトン、エチルメチルケトン、アセトニトリル、ピリジン等、引火性の有機廃液 |
可燃性有機廃液 (有害物含有) | 赤 | ベンゼン、1,4―ジオキサンを含む有機廃液 | |
ハロゲン系廃液 | ピンク | クロロホルム、トリクロロ酢酸、ブロモホルム類、ハロゲン系(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)化合物等の有機廃液 | |
ハロゲン系廃液 (有害物含有) | ピンク | ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2―ジクロロエタン、1,1―ジクロロエチレン、1,1,1―トリクロロエタン、1,1,2―トリクロロエタン、1,3―ジクロロプロペンを含む有機廃液 | |
難燃性有機廃液 | 青 | ホルマリン、フェノール類、酢酸、アミン類等、水溶性有機化合物の廃液、または50%以上の水を含む有機廃液 | |
フォトレジスト現像廃液 注) 含有物を全て記入すること。 | |||
廃油 | 黒 | 真空ポンプ、機械油、オイル、シリコンオイル等、金属片が混入していない可燃性廃液 | |
写真現像液 | 黒 | フィルム等の感光材料を現像するのに使用した廃液 | |
写真定着液 | 黒 | フィルム等の画像を安定化するのに使用した廃液 |
※酸化プロピレン、エーテル等の特殊引火物(引火点が20℃以下のもの)の貯留容器は10L容器を使用すること。
※有害重金属系、ヒ素?セレン系、シアン系、可燃性(有害物含有)、ハロゲン系(有害物含有)が廃液に微量でも含まれていたらその分類とすること。
別記第2
混合危険のある薬品
“混合危険のある薬品”に対しては,分離した貯蔵区域を用意しなければならない。ここで混合危険のある薬品とは,一緒にすると反応し,このために,危険な状態を作り出すような薬品をいう。
混合危険性薬品の例*
薬品 | 次のものと接触させるな |
酢酸 | クロム酸,硝酸,ヒドロキシル化合物,エチレングリコール,過塩素酸,過酸化物,過マンガン酸塩 |
アセチレン | 塩素,臭素,銅,フッ素,銀,水銀 |
アルカリ金属,例えば粉末状のアルミニウムやマグネシウム,ナトリウム,カリウム | 水,四塩化炭素その他の塩素化炭化水素,二酸化炭素,ハロゲン類 |
無水アンモニア | 水銀(例えば圧力計),塩素,次亜塩素酸カルシウム,ヨウ素,臭素,フッ化水素(無水物) |
硝酸アンモニウム | 酸類,金属粉末,引火性液体,塩素酸塩,亜硝酸塩,硫黄,細かく粉砕された有機物または引火性物質 |
アニリン | 硝酸,過酸化水素 |
臭素 | 塩素に対するものと同一 |
活性炭素 | 次亜塩素酸カルシウム,すべての酸化剤 |
塩素酸塩 | アンモニウム塩,酸類,金属粉末,硫黄,細かく粉砕された有機物または引火性物質 |
クロム酸 | 酢酸,ナフタリン,樟脳,グリセリン,テレビン油,アルコール,一般的に引火性液体 |
塩素 | アンモニア,アセチレン,ブタジエン,ブタン,メタン,プロパン(または他の石油ガス),水素,炭化ナトリウム,テレビン油,ベンゼン,細かく粉砕された金属類 |
二酸化塩素 | アンモニア,メタン,ホスフィン,硫化水素 |
銅 | アセチレン,過酸化水素 |
クメンヒドロペルオキシド | 有機酸または無機酸 |
引火性液体 | 硝酸アンモニウム,クロム酸,過酸化水素,硝酸,過酸化ナトリウム,ハロゲン類 |
フッ素 | すべてのものから離す |
炭化水素類(ブタン,プロパン,ベンゼン,ガソリン,テレビン油など) | フッ素,塩素,臭素,クロム酸,過酸化ナトリウム |
シアン化水素 | 硝酸,アルカリ |
フッ化水素 | アンモニア(水溶液または無水物) |
過酸化水素 | 銅,クロム,鉄,大部分の金属またはその塩類,アルコール類,アセトン,有機物,アニリン,ニトロメタン,引火性液体,可燃性物質 |
硫化水素 | 発煙硝酸,酸化性ガス |
ヨウ素 | アセチレン,アンモニア(水溶液または無水物),水素 |
水銀 | アセチレン,雷酸,アンモニア |
(濃)硝酸 | 酢酸,アニリン,クロム酸,シアン化水素,硫化水素,引火性液体,引火性ガス |
シュウ酸 | 銅,水銀 |
過塩素酸 | 無水酢酸,ビスマスおよびその合金類,アルコール,紙,木材 |
カリウム | 四塩化炭素,二酸化炭素,水 |
塩素酸カリウム | 硫酸および他の酸類 |
過塩素酸カリウム (塩素酸塩参照) | 硫酸および他の酸類 |
過マンガン酸カリウム | グリセリン,エチレングリコール,ベンズアルデヒド,硫酸 |
銀 | アセチレン,シュウ酸,酒石酸,アンモニア化合物 |
ナトリウム | 四塩化炭素,二酸化炭素,水 |
過酸化ナトリウム | エタノールまたはメタノール,氷酢酸,無水酢酸,ベンズアルデヒド,二硫化炭素,グリセリン,エチレングリコール,酢酸エチル,酢酸メチル,フルフラール |
硫酸 | 塩素酸カリウム,過塩素酸カリウム,過マンガン酸カリウム(またはナトリウム,リチウムのような軽金属との化合物) |
* “The Dangerous Chemicals Code",1951, Bureau of Fire Prevention,City of Los Angeles,Fire Departmentから作成した。この表は完全でもなければ,すべての混合危険性物質を示したものでもない。
化学実験の事故と安全 日本化学会訳編,丸善,1978.pp197―8.より