○国立大学法人弘前大学における懲戒処分基準

平成16年4月1日

制定

第1 基本事項

本基準は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な処分量定を掲げたものである。

具体的な量定の決定に当たっては、

(1) 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか

(2) 故意又は過失の度合いはどの程度であったか

(3) 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか

(4) 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか

(5) 過去に非違行為を行っているか

等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上、判断するものとする。個別の事案の内容によっては、標準例に掲げる量定以外とすることもあり得るところである。

なお、標準例に掲げられていない非違行為についても、懲戒処分の対象となり得るものであり、これらについては標準例に掲げる取り扱いを参考としつつ判断する。

第2 標準例

1 一般服務関係

(1) 欠勤

ア 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた職員は、停職、減給又は戒告とする。

イ 正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた職員は、停職又は減給とする。

ウ 正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた職員は、懲戒解雇又は停職とする。

(2) 遅刻?早退

勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた職員は、戒告とする。

(3) 休暇の虚偽申請

病気休暇又は特別休暇について虚偽の申請をした職員は、停職、減給又は戒告とする。

(4) 勤務態度不良

勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、業務の運営に支障を生じさせた職員は、停職、減給又は戒告とする。

(5) 職場内秩序びん乱

ア 上司に対する暴行により職場の秩序を乱した職員は、停職又は減給とする。

イ 上司に対する暴言により職場の秩序を乱した職員は、停職、減給又は戒告とする。

(6) 虚偽報告

事実をねつ造して虚偽の報告を行った職員は、停職、減給又は戒告とする。

(7) 秘密漏えい

職務上知ることのできた秘密を漏らし、業務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、懲戒解雇又は停職とする。

(8) 個人の秘密情報の目的外収集

その職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した職員は、減給又は戒告とする。

(9) 兼業の承認等を得る手続のけ怠

営利企業の役員等の職を兼ね、若しくは自ら営利企業を営むことの承認を得る手続又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等を兼ね、その他事業若しくは事務に従事することの許可を得る手続を怠り、これらの兼業を行った職員は、減給又は戒告とする。

(10) セクシュアルハラスメント(他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動)及び性暴力等

ア 暴行若しくは脅迫を用いてハラスメント行為をし、又は修学?就労上の地位や人間関係などの優位性に基づく影響力を用いることによりハラスメント行為をした職員は、懲戒解雇、諭旨解雇又は停職とする。

イ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙?電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した職員は、停職又は減給とする。この場合においてわいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患したときは、当該職員は懲戒解雇、諭旨解雇又は停職とする。

ウ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った職員は、停職、減給又は戒告とする。

エ 性暴力等をした職員は、懲戒解雇、諭旨解雇、停職、減給又は戒告とする。

(11) パワーハラスメント

ア パワーハラスメントを行ったことにより、相手に著しい精神的又は身体的な苦痛を与えた職員は、停職、減給又は戒告とする。

イ パワーハラスメントを行ったことについて指導、注意等を受けたにもかかわらず、パワーハラスメントを繰り返した職員は、停職又は減給とする。

ウ パワーハラスメントを行ったことにより、相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患させた職員は、懲戒解雇、諭旨解雇、停職又は減給とする。

(12) アカデミックハラスメント

ア アカデミックハラスメントを行ったことにより、相手の教育?研究活動に著しい不利益を与えた職員は、停職、減給又は戒告とする。

イ アカデミックハラスメントを行ったことについて指導、注意等を受けたにもかかわらず、アカデミックハラスメントを繰り返した職員は、停職又は減給とする。

ウ アカデミックハラスメントを行ったことにより、相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患させた職員は、懲戒解雇、諭旨解雇、停職又は減給とする。

(注) (10)から(12)までに関する事案について処分を行うに際しては、具体的な行為の態様、悪質性等も情状として考慮の上、判断するものとする。

2 倫理規程関係

(1) 報告義務違反

贈与等報告書を提出しなかった職員は、戒告とする。

(2) 虚偽報告

虚偽の事項を記載した贈与等報告書を提出した職員は、停職、減給又は戒告とする。

(3) 金銭又は物品の受領

利害関係者から金銭又は物品の贈与を受けた職員は、懲戒解雇、停職、減給又は戒告とする。((12)ーアに掲げるものを除く。)

(4) 不動産の授受

利害関係者から不動産の贈与を受けた職員は、懲戒解雇又は停職とする。((12)ーアに掲げるものを除く。)

(5) 金銭の借受け

利害関係者から金銭の貸付けを受けた職員は、停職、減給又は戒告とする。

(6) 物品の借受け

利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で物品の貸付けを受けた職員は、停職、減給又は戒告とする。((12)ーアに掲げるものを除く。)

(7) 不動産の借受け

利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で不動産の貸付けを受けた職員は、停職又は減給とする。((12)ーアに掲げるものを除く。)

(8) 役務の授受

利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で役務の提供を受けた職員は、懲戒解雇、停職、減給又は戒告とする。((12)ーアに掲げるものを除く。)

(9) 未公開株式の授受

利害関係者から未公開株式を譲り受けた職員は、停職又は減給とする。

(10) 供応接待

ア 利害関係者から供応接待(飲食物の提供に限る。)を受けた職員は、停職、減給又は戒告とする。

イ 遊技又はゴルフをするために要する費用を、利害関係者が負担して当該利害関係者と共に遊技又はゴルフをした職員は、停職、減給又は戒告とする。

ウ 海外旅行をするために要する費用を、利害関係者が負担して当該利害関係者と共に海外旅行をした職員は、停職、減給又は戒告とする。

エ 国内旅行をするために要する費用を、利害関係者が負担して当該利害関係者と共に国内旅行をした職員は、停職、減給又は戒告とする。

オ 利害関係者に該当しない事業者等から、供応接待を繰り返し受ける等通常一般の社交の程度を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けた職員は、停職、減給又は戒告とする。

(11) 供応接待以外

ア 利害関係者と共に飲食をした職員は、戒告とする。

イ 利害関係者と共に遊技又はゴルフをした職員は、戒告とする。

ウ 利害関係者と共に旅行をした職員は、戒告とする。

(12) つけ回し

ア 自己が行った物品若しくは不動産の購入若しくは借受け又は役務の受領の対価を、それらの行為が行われた場に居合わせなかった利害関係者にその者の負担として支払わせた職員は、懲戒解雇、停職又は減給とする。

イ 自己が行った物品若しくは不動産の購入若しくは借受け又は役務の受領の対価を、それらの行為が行われた場に居合わせなかった利害関係者に該当しない事業者等にその者の負担として支払わせた職員は、停職、減給又は戒告とする。

(13) 講演等

倫理監督者の承認を得ずに利害関係者からの依頼に応じて報酬を受けて講演等をした職員は、停職、減給又は戒告とする。

(14) 黙認?隠ぺい

自らが管理又は監督する職員が行った違反行為に該当する行為を倫理監督者の指示に違反して黙認し、又は隠ぺいした役員及び管理職の地位にある職員は、停職又は減給とする。

(注) 処分を行うに際しては、具体的な行為の態様、悪質性等も情状として考慮の上、判断するものとする。

3 法人の金品取扱い関係

(1) 横領

法人の金品を横領した職員は、懲戒解雇とする。

(2) 窃取

法人の金品を窃取した職員は、懲戒解雇とする。

(3) 詐取

人を欺いて法人の金品を収受した職員は、懲戒解雇とする。

(4) 紛失

法人の金品を紛失した職員は、戒告とする。

(5) 盗難

重大な過失により法人の金品の盗難に遭った職員は、戒告とする。

(6) 法人の物品損壊

故意に職場において法人の物品を損壊した職員は、停職、減給又は戒告とする。

(7) 出火?爆発

過失により職場において法人の物品の出火、爆発を引き起こした職員は、戒告とする。

(8) 諸給与の不正支払?不適正受給

故意に規則に違反して諸給与を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして諸給与を不正に受給した職員は、停職、減給又は戒告とする。

(9) 法人の金員及び物品処理不適正

自己保管中の法人の金員の流用等又は法人の物品の不適正な処理をした職員は、停職、減給又は戒告とする。

(10) コンピュータの不適正使用

職場のコンピュータをその職務に関連しない不適正な目的で使用し、業務の運営に支障を生じさせた職員は、減給又は戒告とする。

4 業務外非行関係

(1) 放火

放火をした職員は、懲戒解雇とする。

(2) 殺人

人を殺した職員は、懲戒解雇とする。

(3) 傷害

人の身体に傷害を負わせた職員は、停職又は減給とする。

(4) 暴行?けんか

暴行を加え、又はけんかをした職員が人に傷害を負わせるに至らなかったときは、停職、減給又は戒告とする。

(5) 器物損壊

故意に他人の物を損壊した職員は、停職、減給又は戒告とする。

(6) 横領

他人の物(法人の金品を除く。)を自己の利益のために事実上支配し、横領した職員は、懲戒解雇又は停職とする。

(7) 窃盗?強盗

ア 他人の財物を窃取した職員は、懲戒解雇又は停職とする。

イ 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した職員は、懲戒解雇とする。

(8) 詐欺?恐喝

人を欺いて財物を収受し、又は人を恐喝して財物を収受した職員は、懲戒解雇又は停職とする。

(9) 賭博

ア 賭博をした職員は、停職、減給又は戒告とする。

イ 常習として賭博をした職員は、停職とする。

(10) 麻薬?覚せい剤等の所持又は使用

麻薬?覚せい剤等を所持又は使用した職員は、懲戒解雇とする。

(11) 酩酊による粗野な言動等

酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした職員は、停職、減給又は戒告とする。

(12) 淫行

18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした職員は、懲戒解雇又は停職とする。

(13) 痴漢行為

公共の乗物等において痴漢行為をした職員は、停職又は減給とする。

5 交通事故?交通法規違反関係

(1) 飲酒運転での交通事故(人身事故を伴うもの)

ア 酒酔い運転で人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員は、懲戒解雇とする。

イ 酒酔い運転で人に傷害を負わせた職員は、懲戒解雇又は停職とする。この場合において事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員は、懲戒解雇とする。

ウ 酒気帯び運転で人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員は、懲戒解雇又は停職とする。この場合において措置義務違反をした職員は、懲戒解雇とする。

エ 酒気帯び運転で人に傷害を負わせた職員は、懲戒解雇、停職又は減給とする。この場合において措置義務違反をした職員は、懲戒解雇又は停職とする。

(2) 飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの)

ア 人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員は、懲戒解雇、停職又は減給とする。この場合において措置義務違反をした職員は、懲戒解雇又は停職とする。

イ 人に傷害を負わせた職員は、停職、減給又は戒告とする。この場合において措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。

(3) 交通法規違反

ア 酒酔い運転をした職員は、懲戒解雇、停職又は減給とする。この場合において物の損壊に係る交通事故を起こして、その後の危険防止を怠る等の措置義務違反をした職員は、懲戒解雇又は停職とする。

イ 酒気帯び運転、著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした職員は、停職、減給又は戒告とする。この場合において物の損壊に係る交通事故を起こして措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。

(注) 処分を行うに際しては、過失の程度や事故後の対応等も情状として考慮の上、判断するものとする。

6 監督責任関係

(1) 指導監督不適正

部下職員が懲戒処分を受ける等した場合で、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた職員は、停職、減給又は戒告とする。

(2) 非行の隠ぺい、黙認

部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した職員は、停職又は減給とする。

第3 附属学校園に勤務する職員に関する特例

教育学部附属小学校、附属中学校、附属特別支援学校及び附属幼稚園に勤務する職員(以下「附属学校園職員」という。)については、その従事する職務の特性を考慮し、前記第2に掲げる処分例に加えて、以下の標準例及び青森県教育委員会懲戒処分に係る標準処分例(平成27年4月2日青森県教育委員会)も参考としつつ判断する。

(1) 児童生徒等に対するわいせつ行為等

ア みだらな性交又は性交類似行為をした附属学校園職員は、懲戒解雇とする。

イ わいせつな行為をした附属学校園職員は、懲戒解雇とする。

ウ わいせつな言辞等の性的な言動を繰り返した附属学校園職員は、懲戒解雇、諭旨解雇、停職又は減給とする。

エ わいせつな言辞等の性的な言動を行った附属学校園職員は、停職、減給又は戒告とする。

(2) 児童生徒等に対する体罰

ア 体罰により、児童生徒等を死亡させ、又は児童生徒等に重大な後遺症を残す傷害を負わせた附属学校園職員は、懲戒解雇、諭旨解雇又は停職とする。

イ アに掲げるものを除くほか、体罰により、児童生徒等に傷害を負わせた附属学校園職員は、停職、減給又は戒告とする。

ウ ア及びイに掲げるものを除くほか、体罰を常習的に行っていた附属学校園職員又は特に悪質な態様の体罰を行った附属学校園職員は、停職、減給又は戒告とする。

附 記

この基準は、平成16年4月1日から実施する。

附 記(平成17年7月25日)

この基準は、平成17年7月25日から実施し、改正後の基準は、平成17年4月1日から適用する。

(令和4年3月28日)

この基準は、令和4年3月28日から実施する。

(令和5年3月17日)

この基準は、令和5年3月17日から実施する。

(令和5年6月20日)

この基準は、令和5年6月20日から実施する。

(令和6年1月23日)

この基準は、令和6年1月23日から実施する。

国立大学法人弘前大学における懲戒処分基準

平成16年4月1日 制定

(令和6年1月23日施行)

体系情報
第10編 各種要項,基準,申合せ等/第1章 総務部/第2節 人事(その他)
沿革情報
平成16年4月1日 制定
平成17年7月25日 種別なし
令和4年3月28日 種別なし
令和5年3月17日 種別なし
令和5年6月20日 種別なし
令和6年1月23日 種別なし